Greenishは2人の環境コンサルタントがいます。



環境アセスメントコンサルタント
太陽光発電事業の環境影響評価も対象化
今まで太陽光発電所は環境アセスメントの対象外だった太陽光発電所もアセスメントの対象として考えられるようになりました。太陽光発電が主要電源となった証とも言えましょう。アセスメント法は事業者にとって決して厄介な法律ではありません。むしろ、今までの誤解や偏見から解き放たれ 合法的で科学的な判断を与えられる法です。正しいことが正しくアセス(査定)される良い機会が訪れたのです。
経済産業省
太陽光発電事業の環境影響評価法対象化検討の経緯  大規模な太陽光発電事業の実施に伴う土砂流出や濁水の発生、景観への影響、動植物の 生息・生育環境の悪化などの問題が生じている事例がある。  一部の地方公共団体では、太陽光発電事業について条例によって環境影響評価を義務づけ ている。  環境影響評価法(以下、「アセス法」)では、太陽光発電事業は対象事業とされていない。 中央環境審議会(環境省)において太陽光発電事業に係る環境影響評価の在り方について検 討がなされた結果、全国的な問題の顕在化を踏まえて、既に法対象となっている事業と同程度以 上に環境影響が著しいと考えられる大規模な太陽光発電事業については、アセス法の対象事業 とすべきとされた。 (太陽光発電事業に係る環境影響評価の在り方について(答申)2019年4月(以下「中環 審答申」)) 7 規模要件等 要件等の考え方 規模要件の指標  電気事業法は、電気安全の観点で出力(kW)の区分に応じた 規制。事業区域の面積に着目した規制は行っていない。  太陽光発電事業において、面積と総出力は概ね比例関係にある。 →総出力(kW)を採用 規模要件の水準  アセス法の対象基準は、条例の基準(50ha以上としている地方 公共団体が最も多い)以上とすべき。  アセス法における土地区画整理事業などの面整備事業の規模要 件は、第1種事業が100ha、第2種事業が75haとなっている。  事業区域面積100haに相当する太陽光発電事業の発電出力 (交流)は、3.2万kW~3.7万kW程度だが、今後の技術革新 による効率向上も想定される。 →第1種事業は4万kW以上、第2種事業は3万kW以上 (系統接続段階の発電出力) 2-2.アセス法の対象とする規模要件等の検討 ※ただし、以下の理由から5年程度で規模要件の見直しを検討する。 • 太陽光発電事業特有の環境影響に関するデータが不足 • 面積と出力関係についても状況の変化の可能性がある(蓄電池の併設など) <中環審答申より>  アセス法における規模要件の指標及び水準に関する考え方は以下の通り。  下記の検討から、規模要件は、第1種事業は4万kW以上、第2種事業は3万kW以上と する。 8 2-3.地域特性について 地 域 環境影響評価の実施に係る判定の考え方 人為的な影響の比較的低い 地域 大規模な森林の伐採等に伴い、水の濁り、斜面地で事業を実 施することによる土地の安定性への影響、動植物の生息・生育 環境の消失等、環境への影響が著しくなる恐れがあり、環境影 響評価を実施すべき。 人為的な影響の比較的高い 地域(施設の敷地等) 環境影響は小さいと考えられる。ただし、住宅地の近隣に設置す る場合にあっては、供用時の騒音等の観点から環境影響評価を 行うべき。 建物の屋上や壁面(構造物 と一体的に設置する場合 施設の敷地等での設置に比べて、更に環境影響は小さいと考え られる。 <中環審答申より>  アセス法においては、第2種事業について、地域特性を考慮した上で(第1種事業と同様 の)環境影響評価を実施すべきかどうかを判定することになっている。  その判定において地域特性を考慮する際、以下の考え方を基本とすることが適当である。 9 2-4.環境影響評価項目選定の基本的考え方① 影響要因の区分 環境要素の区分 工事の実施に伴う影響  工事中における建設機械の稼働及び工事用資材等の搬出入に伴う大気質(粉じ ん)・騒音・振動  工事中における建設機械の稼働や造成等の施工による一時的な水の濁り  造成等の施工による一時的な動物・植物・生態系への影響  工事用資材等の搬出入による人と自然との触れあい活動の場への影響  造成工事により放射性物質が相当程度拡散・流出するおそれがある場合には、放 射性物質への影響 存在及び供用に伴う影響  土砂流出に伴う水の濁り(※)  重要な地形・地質への影響  斜面崩壊など土地の安定性への影響(※)  動物・植物・生態系への影響  景観・人と自然との触れあい活動の場への影響 ※林地、傾斜地で事業を実施する場合、特に選定することが考えられる。 <面的な土地改変による環境影響評価項目> <中環審答申より>  面的な土地改変事業や太陽光発電事業を対象とする条例等を踏まえて整理された項目選定 の基本的考え方は以下のとおり。  ただし、立地場所等個々の事業特性に応じて項目を設定し、効果的・効率的に環境影響評 価を実施することが重要。 10 2-5.環境影響評価項目選定の基本的考え方② 影響要因の区分 環境要素の区分 太陽光特有の影響  供用時におけるパワーコンディショナからの騒音  太陽光パネルからの反射光による影響  工作物の撤去又は廃棄が予定される場合、必要に応じ撤去に伴う廃棄 物 <太陽光発電事業特有の環境影響評価項目> (注)調査、予測及び評価手法等については、太陽光発電事業に特有の環境影響(パワー コンディショナからの純音性の騒音等)に関して、現時点で十分な知見が得られているとは 言えず、今後の知見の蓄積が必要。
アセスメントとは
ラテン語のasesso やフランス語のassesserを語源とする 英吾Assoss,査定する、の名詞形assessmentが日本語化したものです。環境を頭に取り付けると環境アセスメントになるが、英語では Environmental Impact Assessmentであり、構築する建造物 が環境に与える影響を査定する意味と捉えてください。 影響には良い影響と悪い影響があります。太陽光発電所の 建設は経済効果を高めることですから、それは経済的に良いインパクトです、しかしそこに土砂災害の恐れを生じさせる 危険性が生まれるとすればそれは悪いインパクトです。 ではその地形をより強靭にした発電所を作るとしたら、 それはより良いインパクトになります。 太陽光発電所を建設するには森林を伐採することもあります。仮にその森が松くい虫に侵されている森だとしたら、 その伐採は良いインパクトになります。倒木の危険がある 古木の森だとしてもそれは良いインパクトになります。 さらにその近隣で同じかそれ以上の範囲で植林を実施するとしたら、それはもっと良いインパクトになります。 もちろん、計画している太陽光発電所予定地では同じ規模の まとまった植林用地はないでしょう。しかし、飛び地の 合計面積でも伐採した面積を越えれば、それはCO2の吸収は若木の方が期待できますから良いインパクトです。 最後に景観です。これは全く個人的感情や趣味の問題なので 是非が明確に決められないのです。しかも太陽光発電には 悪いインパクトが少ないので、反対する人は必ず景観を持ち出します。それが全く同地とは関係のない、よその人にいかんだとしても、行政は観光資源の減耗を気にします。 Greenishはそれが合法であっても、立木の植栽などのアイディアをもってそれを良いインパクトに変える提案をします。 されにフラクタル解析やフォトモンタージュ技法でより良い景観を演出します。 インパクトアセスメントとは何か 本パンフレットはインパクトア セスメント(IA)の役割と意義を 全ての領域をカバーしつつ定 義し、IAがどのように意思決定 とかかわっているのかを説明 しています。この文書は、IAを 良く知らない技術者、IAの周 辺にいる意思決定者、この分 野の初心者に対して作られて います。 インパクトアセスメント (IA) を単純に定義すると、実施中もしくは計画中 の行為が将来引き起こすであろう結果を予測する作業(プロセス)である。 「インパクト」とは、その行為を行った場合と行わなかった場合の違いのこ とである。 「インパクト」と「影響(Effect)」という用語は、しばしば同義語として扱われ ている(米国国家環境政策法の施行令1508.8のように)。インパクトアセス メントの中で用いられる「環境」という概念も、当初の生物物理的要素に 限定したものからより広い意味に進化し、物理化学、生物学、景観、文化、 社会経済的要素までも含むようになった。IAIAによって定義された環境 アセスメント(Environmental Impact Assessment)は「重大な意思決定と契 約が締結される前に、開発計画の生物物理、社会、その他の関連する影 響を特定、予測、評価、ミティゲーションする作業(プロセス)」である。 IAは以下に示す二面の特性を持ち、それぞれの方法論がある。 ■ インパクトアセスメントは、開発計画(政策・計画(プラン)・プログラム・ 事業)や意図しない事象(自然災害や戦争、紛争など)によって引き 起こされる影響を分析する技術ツールであり、ステークホルダー(関 係者)や意思決定者に情報を提供する。 ■ インパクトアセスメントは、開発計画の意思決定プロセスに組み込ま れた法的・制度的手続きである。 IAは以下のことを目指している。 ■ 対象とした開発計画・事象によって引き起こされる生物物理的、社会 的経済的、制度的影響の分析結果を意思決定者に提供する。 ■ 透明性を高め、意思決定に公衆参加を組み入れる ■ 政策・計画(プラン)・事業のサイクルの中にフォローアップ(負の影響 に対するモニタリング、ミティゲーション)の手続きと方法を組み入れ る ■ 環境にやさしく持続可能な開発に資する。 IAは、意思決定によって引き起こされる未来の状況を予測するため、物 理学や自然科学社会科学に基づく一連の手法・ツールの上に成り立っ ている。IAが成功するかどうかは、努力の度合いと、IAの意義をどれだけ 真摯に理解できているかにかかっている。法制度を遵守しただけの報告 書を作成するだけではIAを効果的に実施したことにならない。米国など いくつかの国では、代替案の検討はインパクトアセスメントの心 (施行令 の中でもハートと記載) であると考えられている。また、IA成功のカギは、 IAの提言が着実に実行され効果を発揮させるためのフォローアップにも ある。 Page 2 IAの最も古く、確立した形態は、環境影響評価 (EIA)である。1960年代、経済成長に伴う活動が 人の健康や生物物理環境に負の影響を及ぼす懸 念が高まるにつれ、EIAの概念が提唱された。 その時代のEIAは開発計画の環境影響を評価し、 法制度に基づく意思決定支援ツールとして用い られた。1970年1月1日に施行された米国の国家 環境政策法(NEPA)は、数あるEIA法令の中でも 世界で最も早く施行された法手続きである。 1985年にはEUもEIA指令を承認し、現在EIA手 続きは世界のほとんどの国で制度化されている。 いくつかの国では、国家/連邦政府のEIAシステ ムと州/地方政府のEIAシステムの両方が規定さ れている。 いくつかのEIAシステム・制度は、EIAの影響分 析範囲を生物物理環境に限定している一方、開 発計画の社会影響や経済影響も含めているEIA システムもある。アフリカ開発銀行などは、社 会影響が含まれること(とその重要性)を強調す るため、「環境社会影響評価」という表現を用 いている。 IAのそのほかの形としては、ある分野に特化し たものがあり、社会影響評価、健康影響評価、 生態学的影響評価、生物多様性影響評価などと 呼ばれている。これらは時に独立して実施され るものの、その他のIAと一緒に実施されること もある。このような異なった形の影響を統合す ることを強調して、統合型IAという表現を用い る専門家や組織もある。このほか、アセスメン トの環境面、社会面、経済面の統合に対し、 「持続可能性アセスメント」という用語も用い られている。社会影響評価や健康影響評価など のIAは、ほとんどの国でまだ法的システムの中 に組み込まれていない。場合によっては、越境 影響や累積的影響などが議論になることもある。 越境影響や累積的影響を含め、ここで例示され たすべての影響は、その国や地方の法制度の枠 組みの中で、EIA報告書と呼ばれる文書として の取りまとめを義務付けることも可能である。 政策・法令・計画(プラン)・プログラムなど戦 略的レベルの意思決定にIAを適用する必要性の 高まりによって、戦略的環境アセスメント(SEA) という概念が生まれた。SEAは、環境、社会、 経済、健康を重視し、持続可能性が確実になる ような戦略提意思決定を目指したインパクトア セスメントであると一般的に理解されている。 SEAの法制度化は現在進みつつあるところで、 多くの場合既存のEIA法制度と関連付けられた 形で進められている。EUは2001年に計画(プラ ン)とプログラムに対する環境アセスメント指令 が承認された。このSEAは、早い段階の意思決 定に用いられることで、セクターや地域レベル の意思決定への情報提供に役立ち、代替案分析 の評価軸を与える有効なツールとして徐々に受 け入れられるようになった。 国際舞台でのIA 世界的には、IAは1992年のリオデジャネイロで 開催された環境と開発に関する国連会議で広く 知られるようになった。最終宣言の第17原則は、 以下のようにEIAに充てられている。 「環境に重大な影響をもたらす可能性があり 監督官庁による認可が必要な開発計画には、 国の制度として環境アセスメントを適用すべ きである。」 2000年の国連ミレニアムサミットで147の州と政 府代表が署名し189か国が承認したミレニアム開 発目標は、持続可能な開発を国の政策やプログ ラムに組み込んで統合するという原則のための 枠組みを示した。これはSEAの狙いのうちの一 つでもある。 さらに多くの条約でEIAとSEAの必要性が提示さ れており、生物多様性条約(リオデジャネイロ 1992)、海洋法に関する国際連合条約(モンテゴ ベイ1982)、SEAに関する条項がある越境問題の EIAに 関 する 地域条 約(エ スポー 1991) (Kiev, 2003)、南極のための国際EIA制度を定めた環境 協定がある南極条約(ワシントン1959) (Madrid, 1991)などが挙げられる。その他EIAとSEAに言 及した世界・地域条約としては、移動性の野生 動物種の保護に関する条約(ボン1979)、ヨーロ ッパ建築遺産保護条約(グラナダ1985)、ヨーロ ッパ建築遺産保護改定条約(バレッタ1992)、ヨ ーロッパ景観保護条約(フローレンス2000)、環 境問題に関する情報アクセス、意思決定におけ る市民参画、司法アクセスに関する条約(オーフ ス1998)などがある。 ほとんどの国際開発金融はそれぞれのEIAシステムを有している。最初のEIAに関する業務指 令は1989年に世界銀行が作成したものである。